「宝くじに高額当選した人は不幸になる」「当選後に人生が崩れる」といった話を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし実際のところ、これは科学的にどう見えるのか、単なる噂話に過ぎないのかについては多くの研究があります。本記事では心理学や幸福度の研究を基に、高額当選の後の人生についてわかりやすく解説します。
宝くじ当選と幸福度の関係
心理学者による有名な研究では、宝くじの高額当選者と非当選者、さらには事故で身体に大きな変化があった人を比較する調査が行われました。その結果、当選者の幸福度が顕著に高いわけではなく、対照群と同程度であるという報告がありました。これは人間が環境の変化に慣れてしまう「ヘドニック・アダプテーション(快楽順応)」という現象が影響していると考えられています。[参照:Lottery winners and accident victims: is happiness relative?]
一時的に「嬉しい」「生活が楽になった」と感じることはあっても、時間が経つと当選前の幸福度に戻る傾向があるとされています。[参照:宝くじ当選と幸福度研究]
長期的な幸福感の調査結果
近年のより大規模な研究では、宝くじで大きな賞金を得た人々が長期的に見ても生活満足度や幸福感が持続しているという結果もあります。例えば、スウェーデンで行われた追跡調査では、当選者の幸福度が10年以上にわたって改善したとの報告があり、高額当選が生活の質に長期的な良い影響を与える可能性が示されています。[参照:Long-Run Effects of Lottery Wealth on Psychological Well‑Being]
このような研究は、当選者が生活の安全性や将来計画に対する安心感を得ることで満足度が上がることを示唆しています。
不幸なケースの背景と注意点
一部で語られる「当選後に破産した」「人間関係が悪化した」といったエピソードは実際にありますが、それが当選全体の傾向を示すものではありません。個別のニュースや体験談では、賞金の使い方や周囲との関係性が悪化した例が報じられることがあります。[参照:高額当選者の悲惨な体験談]
しかしこれらは当選そのものが“不幸を呼ぶ”というより、急な大金に対して準備や知識が不足していたこと、適切な資産管理やサポート体制がなかったことが大きく影響していると考えられています。
お金と幸福の本質的な関係
経済学や心理学の研究では、収入や資産が増えると幸福度が上がる場合もありますが、それが永続的な幸福につながるかは別問題であるとしています。人間は新しい状況に慣れる性質があるため、大きな当選で感じる幸福感は時間とともに薄れることが多いというのが一つの見え方です。[参照:Hedonic treadmill]
また、お金そのものよりも、使い方や人間関係、人生の目標といった要素が幸福感を左右することも多いとされています。
まとめ
宝くじの高額当選が必ずしも「不幸」を招くわけではありません。一時的な幸福感が長続きしない場合があるものの、長期的な生活満足度が向上する事例もあります。当選後の生活には資産管理や周囲との関係づくりが重要であり、「当選=不幸」という単純な図式には当てはまらないことが、複数の研究から示されています。


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