競走馬の毛色に関して、特に「栗毛」の遺伝について疑問を抱く方が多いです。なぜ父親の産駒から栗毛が誕生しない一方で、父父産駒や母父産駒からは栗毛が生まれるのか?この記事では、競走馬の毛色に関する遺伝の仕組みを、ディープインパクトやコントレイルを例に解説します。
競走馬の毛色に関する基本的な遺伝
競走馬の毛色は、遺伝子によって決まります。主に「色の遺伝子」と「色のパターン遺伝子」の組み合わせによって毛色が決まります。栗毛(くりげ)は、赤毛の遺伝子が関与する色で、黒馬や白馬に比べると遺伝的にやや複雑です。
基本的には、両親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせが影響し、どの毛色になるかが決まります。しかし、遺伝は単純なものではなく、隠れた遺伝子が影響を与えるため、予測しにくい部分もあります。
ディープインパクトの例:父親からは栗毛が生まれない理由
ディープインパクトは、非常に優れた競走馬であり、多くの産駒を輩出しました。しかし、ディープインパクト産駒には栗毛が1頭もいません。なぜなら、ディープインパクトの父親はサンデーサイレンスで、サンデーサイレンスが持つ遺伝子には、栗毛の遺伝子を受け継ぐ要素がなかったからです。
つまり、ディープインパクトが栗毛を持つ母親から生まれても、栗毛を遺伝する遺伝子を持っていなければ、産駒に栗毛が現れないのです。遺伝の仕組みは複雑で、たとえ母親が栗毛でも、父親の遺伝子が影響を与えるため、栗毛の産駒が誕生しなかったというわけです。
コントレイルの例:父父産駒や母父産駒に栗毛が誕生する理由
一方で、コントレイルの産駒には栗毛が生まれることがあります。コントレイルの父親はディープインパクトであり、母親が栗毛のウインドインハーヘアです。この場合、母親から栗毛を引き継いだ可能性があります。
また、父父(ディープインパクト)や母父(ウインドインハーヘア)から受け継がれる遺伝子が影響を与え、栗毛が生まれることもあります。栗毛を引き継ぐためには、母親や父父、母父の影響が強く働くことがあり、これが栗毛の産駒を生む一因となります。
遺伝子の複雑さと予測の難しさ
競走馬の毛色に関する遺伝は、非常に複雑で予測が難しいものです。毛色を決定する遺伝子には、ドミナント遺伝子やレセッシブ遺伝子が関与しており、それぞれの馬がどの遺伝子をどれだけ受け継ぐかによって、最終的な毛色が決まります。
また、父親と母親から受け継がれる遺伝子の組み合わせが偶然によって決まるため、思わぬ組み合わせが生まれることがあります。そのため、同じ親から生まれた産駒でも毛色が異なることがあるのです。
まとめ
競走馬の栗毛に関する遺伝は、非常に複雑であり、ディープインパクトの産駒に栗毛が現れなかった理由や、コントレイルの産駒に栗毛が現れる理由を理解するためには、遺伝の仕組みを知ることが大切です。遺伝は単純ではなく、隠れた遺伝子や親からの影響によって、予測以上に多様な結果が生まれることがあります。
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